2011年 10月 09日
創発的破壊とソーシャルメディア進化論を読んで。 |
この好天の三連休、皆様におかれましては素敵な休日をお過ごしのことと思います。
そういえば、今日息子たちが通ってた幼稚園の運動会が開催されたようです。
・・・なんとなく、遠い昔の思い出がよみがえるようで切なくも懐かしい光景が頭をよぎりました。
という私はと言えば、昨日今日と2冊の本を読みふけっていました。
一つは「未来をつくるイノベーション・創発的破壊」。
もう一つは「ソーシャルメディア進化論」。
奇しくも、共通のキーワードがありました。
それは「オープン」「フラット」「ソーシャル」「信頼」…
まずは、「創発的破壊」米倉誠一郎さん著の本です。
イノベーションとは、これまで技術革新と訳されてきました。
つまり、まったく新しい技術を発明することで世の中に革命を起こす。
歴史を眺めると、若干違うことがわかりますね。
たとえば「ウォークマン」。
確かに、あのコンパクトなサイズでステレオを実現した技術的な意味は大きいと思います。
しかし現実には、その当時常識とされていた「録音」という機能をそぎ落とし、「外で音楽を聞く」という新しい価値観が社会的なブームを起こしたと言えますね。
その昔、シュンペーターは「馬車を何台つないでも機関車にはならない」と言いました。
確かに、既存の技術というか発想にしがみついてる限りは、新しい発想は出てきません。
しかし、イノベーションの定義を考えるときに、新しい技術を使おうがどうしようが、それを受け入れる側が「それっていいね!」と思わない限りイノベーションは起きないと思うのです。
つまり、実はイノベーションとは「消費者の心理的側面」を避けては通れないのかと。
米倉さんは、イノベーションの定義を改めて我々に問いかけています。
日常の改善の向こうにも、消費者が気づいていない新しい価値があるのではないかと。
それと、これからのイノベーションにおいて、個々人の小さな行動が、いわゆる「バタフライ効果」で、大きなイノベーションにつながる可能性も示唆しています。
そのために必要なのが「オープン」と「ソーシャル」なのですね。
「世界中に電話一本で『そっちはどう?』と聞くことができる友達をたくさん持つことが真のグローバリゼーションなのです」と。
・・・・
実はこの話は、もう一冊の「ソーシャルメディア進化論」でも言及されています。
私はこの本を、ソーシャルメディアに対するアンチテーゼとして興味を持って購入しました。
もっと突っ込んでいえば、今、世間を騒がせている「Twitter」や「FaceBook」に対する別の論表なのだと。
帯から「ソーシャルメディアで本当に消費者との関係を築けるのか?その関係を収益化することはできるのか?」という言葉に対する私の考えとどう違うのかを確かめたくて購入したのです。
まず、ソーシャルメディアを、TwitterやFBだけだと認識していた自分の認識の甘さに気づかされました。
そして、そもそもの「ソーシャル」という言葉の定義や、その分類について新しい気づきがありました。
・・・・あまりネタバレするのもなんなんで少しだけ…(笑)
分類は技術者が一番わかりやすい2軸でした。
一つは「現実生活」と「価値観」。もう一つは「関係構築」と「情報交換」。
一言でいうと、FBにしてもTwitterにしても、企業が消費者との「温かい関係」を構築するためには不十分だと。
実は、価値観と関係構築のためにもっともいいのは、企業コミュニティーの構築らしいです。
ここで問題になるのは、匿名性と実名性の違いです。
この部分は私は完全に誤解をしていました。
実名性とは、名前を明らかにすることではないこと。匿名性とはハンドルネームを使うことではないこと。
*この辺りは、実際に本を購入してください。
ソーシャルメディアは、「温かさを持った人間関係(ソーシャル)」を、程よい「匿名性」で実現することで、収益性を確保できる。
逆に言えば、匿名性と自由な(温かいと言い換えても良い)を担保することで実現かのだと。
そういう意味でFBでは、息苦しく窮屈すぎるし、Twitterでは不確実すぎる。ましてMixiでは…。
・・・・
この「ソーシャルメディア進化論」を読んで、スートーリーによる説得力の強さに気づきました。
これまで、シナリオプランニングやストーリーによる競争戦略などを読んで、結構バカにしていた部分があるのですが(*ごめんなさい)、この本を読んで経験に根ざしたストーリーの持つ力の強さは…大きい。
お酒のせいか、まとまりがつかなくなりそうですが(汗)、結局は「温かい関係」と「収益性」とはTRIZでいうところの時間で分離なんだなと。
*実は、そう仮説を立てて読んでいたのですが(笑)
そして、それは実はお仕着せのFBやTwitterではなく、企業独自のコミュニティーの構築にかかっていることがわかりました。
結局、企業がそれぞれの工夫と配慮を考えて、顧客との双方向の対話ができる環境をつくる事。
加えて、信頼関係を構築するための時間の必要性と、いわゆるサクラや短期的な利益の追求の無意味さ。
そういう意味で、この本は久しぶりに良い本に出会えたなと感じました。
・・・・
最後に、この本を読んで私なりに感じたことを。
「リアルとは、現実ではなく、本音である。それは、深い質問から得られる、深い答えでもある。」
そのためには、人間性というか人柄が結局大切なんだと思いました。
かなり主観の入ったとりとめのないブログになりましたが、これは最近皆さんがいうところのWin-Winの関係に密接に結びついているのだと思いますよ。
では、また。
そういえば、今日息子たちが通ってた幼稚園の運動会が開催されたようです。
・・・なんとなく、遠い昔の思い出がよみがえるようで切なくも懐かしい光景が頭をよぎりました。
という私はと言えば、昨日今日と2冊の本を読みふけっていました。
一つは「未来をつくるイノベーション・創発的破壊」。
もう一つは「ソーシャルメディア進化論」。
奇しくも、共通のキーワードがありました。
それは「オープン」「フラット」「ソーシャル」「信頼」…
まずは、「創発的破壊」米倉誠一郎さん著の本です。
イノベーションとは、これまで技術革新と訳されてきました。
つまり、まったく新しい技術を発明することで世の中に革命を起こす。
歴史を眺めると、若干違うことがわかりますね。
たとえば「ウォークマン」。
確かに、あのコンパクトなサイズでステレオを実現した技術的な意味は大きいと思います。
しかし現実には、その当時常識とされていた「録音」という機能をそぎ落とし、「外で音楽を聞く」という新しい価値観が社会的なブームを起こしたと言えますね。
その昔、シュンペーターは「馬車を何台つないでも機関車にはならない」と言いました。
確かに、既存の技術というか発想にしがみついてる限りは、新しい発想は出てきません。
しかし、イノベーションの定義を考えるときに、新しい技術を使おうがどうしようが、それを受け入れる側が「それっていいね!」と思わない限りイノベーションは起きないと思うのです。
つまり、実はイノベーションとは「消費者の心理的側面」を避けては通れないのかと。
米倉さんは、イノベーションの定義を改めて我々に問いかけています。
日常の改善の向こうにも、消費者が気づいていない新しい価値があるのではないかと。
それと、これからのイノベーションにおいて、個々人の小さな行動が、いわゆる「バタフライ効果」で、大きなイノベーションにつながる可能性も示唆しています。
そのために必要なのが「オープン」と「ソーシャル」なのですね。
「世界中に電話一本で『そっちはどう?』と聞くことができる友達をたくさん持つことが真のグローバリゼーションなのです」と。
・・・・
実はこの話は、もう一冊の「ソーシャルメディア進化論」でも言及されています。
私はこの本を、ソーシャルメディアに対するアンチテーゼとして興味を持って購入しました。
もっと突っ込んでいえば、今、世間を騒がせている「Twitter」や「FaceBook」に対する別の論表なのだと。
帯から「ソーシャルメディアで本当に消費者との関係を築けるのか?その関係を収益化することはできるのか?」という言葉に対する私の考えとどう違うのかを確かめたくて購入したのです。
まず、ソーシャルメディアを、TwitterやFBだけだと認識していた自分の認識の甘さに気づかされました。
そして、そもそもの「ソーシャル」という言葉の定義や、その分類について新しい気づきがありました。
・・・・あまりネタバレするのもなんなんで少しだけ…(笑)
分類は技術者が一番わかりやすい2軸でした。
一つは「現実生活」と「価値観」。もう一つは「関係構築」と「情報交換」。
一言でいうと、FBにしてもTwitterにしても、企業が消費者との「温かい関係」を構築するためには不十分だと。
実は、価値観と関係構築のためにもっともいいのは、企業コミュニティーの構築らしいです。
ここで問題になるのは、匿名性と実名性の違いです。
この部分は私は完全に誤解をしていました。
実名性とは、名前を明らかにすることではないこと。匿名性とはハンドルネームを使うことではないこと。
*この辺りは、実際に本を購入してください。
ソーシャルメディアは、「温かさを持った人間関係(ソーシャル)」を、程よい「匿名性」で実現することで、収益性を確保できる。
逆に言えば、匿名性と自由な(温かいと言い換えても良い)を担保することで実現かのだと。
そういう意味でFBでは、息苦しく窮屈すぎるし、Twitterでは不確実すぎる。ましてMixiでは…。
・・・・
この「ソーシャルメディア進化論」を読んで、スートーリーによる説得力の強さに気づきました。
これまで、シナリオプランニングやストーリーによる競争戦略などを読んで、結構バカにしていた部分があるのですが(*ごめんなさい)、この本を読んで経験に根ざしたストーリーの持つ力の強さは…大きい。
お酒のせいか、まとまりがつかなくなりそうですが(汗)、結局は「温かい関係」と「収益性」とはTRIZでいうところの時間で分離なんだなと。
*実は、そう仮説を立てて読んでいたのですが(笑)
そして、それは実はお仕着せのFBやTwitterではなく、企業独自のコミュニティーの構築にかかっていることがわかりました。
結局、企業がそれぞれの工夫と配慮を考えて、顧客との双方向の対話ができる環境をつくる事。
加えて、信頼関係を構築するための時間の必要性と、いわゆるサクラや短期的な利益の追求の無意味さ。
そういう意味で、この本は久しぶりに良い本に出会えたなと感じました。
・・・・
最後に、この本を読んで私なりに感じたことを。
「リアルとは、現実ではなく、本音である。それは、深い質問から得られる、深い答えでもある。」
そのためには、人間性というか人柄が結局大切なんだと思いました。
かなり主観の入ったとりとめのないブログになりましたが、これは最近皆さんがいうところのWin-Winの関係に密接に結びついているのだと思いますよ。
では、また。
by kuwahara_TRIZ
| 2011-10-09 21:56
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