2010年 10月 24日
TRIZの本質に関する私見 |
またまた、久しぶりのブログになってしまいました。
Twitterには、毎日ツイートしているのですが、なかなかブログまでは時間が回らないのが現状ですね・・・(苦笑)
さて、今日はTRIZというものの本質について、自分が考えていることを書いてみたいと思います。
TRIZとは、ロシアで作成された発想法です・・・なんて、事は、もういいでしょう(笑)
それよりも、もっと本質的な話を。
技術的な問題の解決にTRIZを活用する事は、とても有効です。どのように有効かと言うと、技術的な問題にはほとんどの場合、背反特性が存在するためにその解決が難しいと考えています。
では、背反特性の解決は本当に難しいのか?
たとえば、衣類の汚れを落とすために、洗濯機で洗います。毎日毎日洗濯すると、衣類の布地が傷んだり、ゴムの部分が延びてしまったりする。これが、いわゆる技術的な背反特性であり、TRIZでいう所の矛盾と証するものですが、これは本当に解決が難しいのでしょうか?
・・・・・
あなたの「先入感」がじゃまをして、「できない」とか「やれっこない」など、心の中で考えて問題に取り組んでいませんか?
または、既存の洗濯機の構造に制約されて、解決手段を考えていませんか?
TRIZは、そういう問題解決思考が陥る罠を取り去ってくれることが本来の強みなのでは無いかと思うのです。
もちろん、考え方だけでその具体的な手段を持たない理論は、あまりに抽象度が高すぎるが故に難解になってしまうきらいがありますが、TRIZは思想的なバックボーンと、それらを実現させるための具体的な手法のバランスがとても良い理論だと感じています。
・・・・
先ほどの問題についても、視点を変えて見ることで、そういう先入観を取り去ることができます。
たとえば、洗濯機の機能とは何か?
衣類の汚れを取り去ること。
だったら、洗濯機は必要か?
汚れを取り去る何かが実現できれば、必要ない。
毎日、洗濯することは必要か?
毎日の汚れはとても軽微なモノだから、軽く洗うだけでOK。
・・・・
汚れをきれいに落とすことができて、衣類の傷みが少ない洗濯機なんて、できっこない!
いえいえ、そんな事はありません。
物質の量を改善したい特性にとって、物体が受ける有害作用を悪化する特性にとって、矛盾マトリックスを参照すると・・・。
・パラメータ変更原理
・均質性原理
・流体利用原理
・多孔質利用原理
たとえば、洗濯槽をゴムみたいに柔らかくして、たたき洗いができるようにする。
たとえば、スチームで衣類を洗う。
たとえば、洗濯物同士が直接触れ合わないように(均質に分布するように)、洗濯槽にいくつかの仕切りを作る。
たとえば、水ではなくて、泡で包むようにして汚れを落とす。洗濯物は動かない。
たとえば、汚れを吸着するような多孔性物質を洗濯槽の何処かに設置する。
・・・・・
いかがでしょうか?
つまり、いくらTRIZの手法を知っていても、それを使う技術者の先入観を取り去ることができなければ、問題解決につなげることはできないのです。
TRIZでは、それを「心理的惰性」と言います。
逆に言えば、心理的惰性を排除して考える事ができれば、それはTRIZを使ったといえるのではないでしょうか?
手法(些末)にこだわるあまり、思想的な部分を忘れてしまうことが、一番怖いと感じています。
では、また。
Twitterには、毎日ツイートしているのですが、なかなかブログまでは時間が回らないのが現状ですね・・・(苦笑)
さて、今日はTRIZというものの本質について、自分が考えていることを書いてみたいと思います。
TRIZとは、ロシアで作成された発想法です・・・なんて、事は、もういいでしょう(笑)
それよりも、もっと本質的な話を。
技術的な問題の解決にTRIZを活用する事は、とても有効です。どのように有効かと言うと、技術的な問題にはほとんどの場合、背反特性が存在するためにその解決が難しいと考えています。
では、背反特性の解決は本当に難しいのか?
たとえば、衣類の汚れを落とすために、洗濯機で洗います。毎日毎日洗濯すると、衣類の布地が傷んだり、ゴムの部分が延びてしまったりする。これが、いわゆる技術的な背反特性であり、TRIZでいう所の矛盾と証するものですが、これは本当に解決が難しいのでしょうか?
・・・・・
あなたの「先入感」がじゃまをして、「できない」とか「やれっこない」など、心の中で考えて問題に取り組んでいませんか?
または、既存の洗濯機の構造に制約されて、解決手段を考えていませんか?
TRIZは、そういう問題解決思考が陥る罠を取り去ってくれることが本来の強みなのでは無いかと思うのです。
もちろん、考え方だけでその具体的な手段を持たない理論は、あまりに抽象度が高すぎるが故に難解になってしまうきらいがありますが、TRIZは思想的なバックボーンと、それらを実現させるための具体的な手法のバランスがとても良い理論だと感じています。
・・・・
先ほどの問題についても、視点を変えて見ることで、そういう先入観を取り去ることができます。
たとえば、洗濯機の機能とは何か?
衣類の汚れを取り去ること。
だったら、洗濯機は必要か?
汚れを取り去る何かが実現できれば、必要ない。
毎日、洗濯することは必要か?
毎日の汚れはとても軽微なモノだから、軽く洗うだけでOK。
・・・・
汚れをきれいに落とすことができて、衣類の傷みが少ない洗濯機なんて、できっこない!
いえいえ、そんな事はありません。
物質の量を改善したい特性にとって、物体が受ける有害作用を悪化する特性にとって、矛盾マトリックスを参照すると・・・。
・パラメータ変更原理
・均質性原理
・流体利用原理
・多孔質利用原理
たとえば、洗濯槽をゴムみたいに柔らかくして、たたき洗いができるようにする。
たとえば、スチームで衣類を洗う。
たとえば、洗濯物同士が直接触れ合わないように(均質に分布するように)、洗濯槽にいくつかの仕切りを作る。
たとえば、水ではなくて、泡で包むようにして汚れを落とす。洗濯物は動かない。
たとえば、汚れを吸着するような多孔性物質を洗濯槽の何処かに設置する。
・・・・・
いかがでしょうか?
つまり、いくらTRIZの手法を知っていても、それを使う技術者の先入観を取り去ることができなければ、問題解決につなげることはできないのです。
TRIZでは、それを「心理的惰性」と言います。
逆に言えば、心理的惰性を排除して考える事ができれば、それはTRIZを使ったといえるのではないでしょうか?
手法(些末)にこだわるあまり、思想的な部分を忘れてしまうことが、一番怖いと感じています。
では、また。
by kuwahara_TRIZ
| 2010-10-24 17:07
| TRIZ