2005年 08月 21日
TRIZについて その5:心理的惰性 続き |
今朝の熊本は、雨のせいかとても涼しいです。
夕べも比較的寝れたかな・・・(^^)
さて、昨日は心理的惰性について書いたのですが、「いまひとつ具体例に欠けるな」と思ったので、もう少し補足します。
昨日の話で、
「ここで、技術的な問題において心理的惰性を取り去るヒントをお話します。
それは、「システム内の個々の部品の目的機能を明確に再定義すること」です。
そして、その一つ一つの目的機能について、必要/不必要、代替可能/不可能と考えていくことなのです。」
と書いた部分についてです。
TRIZの有名な話に旧ソ連のルナ16号に搭載された「電球」の話があります。(ご存知の方、ごめんね) これは、「1970年代、旧ソ連は地上へテレビ画像を送信する目的で月面に無人探査船を打ち上げた。月面探査用の電球が設計されたが、月面着陸時の衝撃に耐えることができない。一番頑丈な戦車用の電球でさえネジのベース部とガラスの接合部にヒビが入ってしまう。ガラスが割れないように、どのような対策をしたら良いか?」といった問題です。
さて、皆さんならどう解決しますか?
3分間考えてください。
いろいろなアイデアが浮かびましたか?
いくつ浮かびましたか?
旧ソ連では、更に硬いガラスの研究や振動吸収の仕組みなどいろいろな検討を進めたが、結局「ガラスを無くす」という事に行き着いたそうです。
この解答をどう思いますか?
同じ解答が出ましたか?
これは、電球を構成している部品類の機能分析の結果、「月面では空気がないのだから、そもそも地球上で必要とされるガラスなんていらないんじゃ?」という事に気づいたのですね。
つまり、「電球にガラスは、当然あるもの」という心理的惰性にとらわれていたというわけなのです。
では、この答えだけが唯一無二の正解でしょうか?
何故ガラスが割れるのだろう? それは着陸するからだな。
じゃ、着陸せずに(飛行状態で)月面探査すれば良いじゃん!
とか、
そもそも、なぜ電球が必要なんだろう? カメラが暗いからだな。
じゃ、・・・・・・・・・・・・・(皆さんで考えてみてくださいね!)
など、もっとたくさんの良いアイデアが出てきますよね。
これが心理的惰性を打破して考えるということなのです。
さて、一昨日、指導先であるS社のIさんに「ブレイクスルー思考」という本を頂きました。(Iさん、本当に良い本をありがとうございます!!!)
その中に、「目的展開」という項目があり、それは簡単に言うと「問題に対する目的をきちんと定義することで適切な解決策が発見できる。」というものです。
つまり、先の電球の問題でも、「ガラスが割れる」を解決することを目的問題とするのか、上位に上って「電球が不必要なカメラ」を開発することを目的問題とするのかで、最適な解決策が異なるということなのだろうと、私は理解しました。
創造的に考える、そのためには心理的惰性を打破する、そのためには目的問題を的確に探索定義するという事が大切になるのです。
いつもお読みいただいてありがとうございます。
人気blogランキングへの投票をお願いします!!
人気blogランキングへ
夕べも比較的寝れたかな・・・(^^)
さて、昨日は心理的惰性について書いたのですが、「いまひとつ具体例に欠けるな」と思ったので、もう少し補足します。
昨日の話で、
「ここで、技術的な問題において心理的惰性を取り去るヒントをお話します。
それは、「システム内の個々の部品の目的機能を明確に再定義すること」です。
そして、その一つ一つの目的機能について、必要/不必要、代替可能/不可能と考えていくことなのです。」
と書いた部分についてです。
TRIZの有名な話に旧ソ連のルナ16号に搭載された「電球」の話があります。(ご存知の方、ごめんね) これは、「1970年代、旧ソ連は地上へテレビ画像を送信する目的で月面に無人探査船を打ち上げた。月面探査用の電球が設計されたが、月面着陸時の衝撃に耐えることができない。一番頑丈な戦車用の電球でさえネジのベース部とガラスの接合部にヒビが入ってしまう。ガラスが割れないように、どのような対策をしたら良いか?」といった問題です。
さて、皆さんならどう解決しますか?
3分間考えてください。
いろいろなアイデアが浮かびましたか?
いくつ浮かびましたか?
旧ソ連では、更に硬いガラスの研究や振動吸収の仕組みなどいろいろな検討を進めたが、結局「ガラスを無くす」という事に行き着いたそうです。
この解答をどう思いますか?
同じ解答が出ましたか?
これは、電球を構成している部品類の機能分析の結果、「月面では空気がないのだから、そもそも地球上で必要とされるガラスなんていらないんじゃ?」という事に気づいたのですね。
つまり、「電球にガラスは、当然あるもの」という心理的惰性にとらわれていたというわけなのです。
では、この答えだけが唯一無二の正解でしょうか?
何故ガラスが割れるのだろう? それは着陸するからだな。
じゃ、着陸せずに(飛行状態で)月面探査すれば良いじゃん!
とか、
そもそも、なぜ電球が必要なんだろう? カメラが暗いからだな。
じゃ、・・・・・・・・・・・・・(皆さんで考えてみてくださいね!)
など、もっとたくさんの良いアイデアが出てきますよね。
これが心理的惰性を打破して考えるということなのです。
さて、一昨日、指導先であるS社のIさんに「ブレイクスルー思考」という本を頂きました。(Iさん、本当に良い本をありがとうございます!!!)
その中に、「目的展開」という項目があり、それは簡単に言うと「問題に対する目的をきちんと定義することで適切な解決策が発見できる。」というものです。
つまり、先の電球の問題でも、「ガラスが割れる」を解決することを目的問題とするのか、上位に上って「電球が不必要なカメラ」を開発することを目的問題とするのかで、最適な解決策が異なるということなのだろうと、私は理解しました。
創造的に考える、そのためには心理的惰性を打破する、そのためには目的問題を的確に探索定義するという事が大切になるのです。
いつもお読みいただいてありがとうございます。
人気blogランキングへの投票をお願いします!!
人気blogランキングへ
by kuwahara_TRIZ
| 2005-08-21 08:48
| TRIZ