2006年 04月 30日
「価格競争なき ものづくり」多喜義彦(著):日経BP |
この週末は、土日とも良い天気に恵まれました。
ただ、少し悲しいことが・・・・。
梅の木に今年初めて実がついたのですが、それが見当たらないのです・・・。
葉が生い茂るまでは、2つづつペアで確かに20個ほどはあったと思うのですが、今日確認してみたら、「無い!!」(驚)
梅の実ってそんな簡単に落ちてしまうものなのでしょうか?
今年は、梅酒にしようと思ってたのに・・・・(泣)
さて、今日は昨日読んだ本からです。
日経BP社から「価格競争なき ものづくり」多喜義彦(著)。
日経メカニカルと日経ものづくりで連載されている「開発の鉄人」シリーズの中から抜粋して一冊の本にしたものです。
全部で30の商品開発の成功体験を綴っているもので、何よりも読んでて元気が出るのがうれしいですね!
ただ、私は職業病でしょうか、どうしてもTRIZと関連付けてみてしまう。。。
・・・・・・・・・・・
たくさんのネタがありましたが、その中から一つ紹介します。
それは「ミューレン」というブランドの「長時間座ってても蒸れないシート」で、特徴は「3次元織物をシートに使っている」ことです。
通常のシートは、表皮を張ったウレタンフォームを金属バネで支えた構造です。このシートは確かによく出来ているのですが、5Hz辺りの振動特性が悪い(乗り心地が悪い)のです。
ところがこの「ミューレン」は3Hz辺りまでとても良い振動特性を持っているのです。だから、快適で疲れにくい。
では、この「ミューレン」の実現は「3次元織物をシートに適用する」というアイデアが一発あればできるというのかというと、・・・・違うのです。
そもそもは、ウレタンシートの代わりに「丸編みで靴下を履くようにシートを出来ないか?」という発想だったそうです。この時点では、まだ3次元織物は世の中には無かったのです。
しかし、丸編みシート実現のために社長の藤田さんは、世の中のありとあらゆる素材(粘弾性ウレタン、ゲル・・・・)をテストしたそうですが、いずれもダメ。何年やってもモノにならない状態です。
ところが、あるとき消臭剤の売込みで来ていた営業マンに「別件だけど・・・」と切り出すと、「開発中の3次元織物がある・・・」という答え。
これで「ミューレン」実現への第一歩が踏み出せたわけです。
ありとあらゆる材料を試験して、直接成果には結びつかなかったけど、それらが藤田さんの頭の中の知識として明確にあったから、「3次元織物」という話が出たときに「ピン!!」ときたのでしょう。
もしかすると、それらの経験が無ければ、見過ごしていたことかも知れませんから。
事実、正しい判断を出来なかったところは多いらしいです。ドイツの某一流シートメーカーにこの3次元織物を持ち込んでも「絶対にモノにならない!」と太鼓判を押されたそうです(笑)
実際には、3次元織物という着目点をスタートに、その色々な形状や材質などを改良して行ってものにしたのですが。(これは開発だから当たり前だと思います。)
・・・・・・・・・・
私は、この成功事例を読んで、「結局は、安易な状態で【驚くもの】なんて出ない」という事を再確認しました。
エジソンだって、ダビンチだって、事前に色々なことを試して、99%の汗を流したからこそ一瞬のひらめきが「発明」に結実したのです。
アイデアをいかに【発明】に結びつけるか?
それは、TRIZの問題ではなく、あなたの熱意が問われているのです。
PS:
でも、そういう状態(本当に苦労して、色々な情報を知っている状態)にこそ、TRIZの視点が大切なんだと思いますよ。それについては、また次回にでも。
本日もお読みいただいてありがとうございます。
ご意見ご感想などお聞かせいただけるとうれしいです。
ただ、少し悲しいことが・・・・。
梅の木に今年初めて実がついたのですが、それが見当たらないのです・・・。
葉が生い茂るまでは、2つづつペアで確かに20個ほどはあったと思うのですが、今日確認してみたら、「無い!!」(驚)
梅の実ってそんな簡単に落ちてしまうものなのでしょうか?
今年は、梅酒にしようと思ってたのに・・・・(泣)
さて、今日は昨日読んだ本からです。
日経BP社から「価格競争なき ものづくり」多喜義彦(著)。
日経メカニカルと日経ものづくりで連載されている「開発の鉄人」シリーズの中から抜粋して一冊の本にしたものです。
全部で30の商品開発の成功体験を綴っているもので、何よりも読んでて元気が出るのがうれしいですね!
ただ、私は職業病でしょうか、どうしてもTRIZと関連付けてみてしまう。。。
・・・・・・・・・・・
たくさんのネタがありましたが、その中から一つ紹介します。
それは「ミューレン」というブランドの「長時間座ってても蒸れないシート」で、特徴は「3次元織物をシートに使っている」ことです。
通常のシートは、表皮を張ったウレタンフォームを金属バネで支えた構造です。このシートは確かによく出来ているのですが、5Hz辺りの振動特性が悪い(乗り心地が悪い)のです。
ところがこの「ミューレン」は3Hz辺りまでとても良い振動特性を持っているのです。だから、快適で疲れにくい。
では、この「ミューレン」の実現は「3次元織物をシートに適用する」というアイデアが一発あればできるというのかというと、・・・・違うのです。
そもそもは、ウレタンシートの代わりに「丸編みで靴下を履くようにシートを出来ないか?」という発想だったそうです。この時点では、まだ3次元織物は世の中には無かったのです。
しかし、丸編みシート実現のために社長の藤田さんは、世の中のありとあらゆる素材(粘弾性ウレタン、ゲル・・・・)をテストしたそうですが、いずれもダメ。何年やってもモノにならない状態です。
ところが、あるとき消臭剤の売込みで来ていた営業マンに「別件だけど・・・」と切り出すと、「開発中の3次元織物がある・・・」という答え。
これで「ミューレン」実現への第一歩が踏み出せたわけです。
ありとあらゆる材料を試験して、直接成果には結びつかなかったけど、それらが藤田さんの頭の中の知識として明確にあったから、「3次元織物」という話が出たときに「ピン!!」ときたのでしょう。
もしかすると、それらの経験が無ければ、見過ごしていたことかも知れませんから。
事実、正しい判断を出来なかったところは多いらしいです。ドイツの某一流シートメーカーにこの3次元織物を持ち込んでも「絶対にモノにならない!」と太鼓判を押されたそうです(笑)
実際には、3次元織物という着目点をスタートに、その色々な形状や材質などを改良して行ってものにしたのですが。(これは開発だから当たり前だと思います。)
・・・・・・・・・・
私は、この成功事例を読んで、「結局は、安易な状態で【驚くもの】なんて出ない」という事を再確認しました。
エジソンだって、ダビンチだって、事前に色々なことを試して、99%の汗を流したからこそ一瞬のひらめきが「発明」に結実したのです。
アイデアをいかに【発明】に結びつけるか?
それは、TRIZの問題ではなく、あなたの熱意が問われているのです。
PS:
でも、そういう状態(本当に苦労して、色々な情報を知っている状態)にこそ、TRIZの視点が大切なんだと思いますよ。それについては、また次回にでも。
本日もお読みいただいてありがとうございます。
ご意見ご感想などお聞かせいただけるとうれしいです。
by kuwahara_TRIZ
| 2006-04-30 21:32
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