2011年 03月 29日
葡萄酒の戦略を読了しました。 |
いよいよ春めいてきました。
各地からは桜の便りがちらほらと。。。
熊本城の桜も5分咲きとか。
今週末から来週にかけてが見ごろになりそうですね。
私は、満開を過ぎて散り始めたころの桜が好きです^^(あくまでも個人的な嗜好ですけど(苦笑))
さて、「葡萄酒の戦略」を昨日読了しました。
経営コンサルが書いたワインの本という、ある意味で異色の本なのですが、ワインの歴史をたどりながら「なぜ、フランスワインが世界一なのか?」「第三世界の差別化戦略の落とし穴」などの、事業戦略としてのワインの位置づけなども学べて、結構面白かったです。
経営戦略として、古くから3つの戦略が有名ですね。
一つが「コストリーダーシップ戦略」。
二つ目が、「差別化戦略」。
三つ目が、「ニッチ戦略」。
コストリーダーシップ戦略とは、その業界のシェアNo.1企業が、商品のコストを有利に操作する事ができて、さらに収益を上げることができるというもの。
「差別化戦略」は、どちらかといえば後発の企業が、ある業界で特定の地位を得るためには、差別化された機能を持った商品が必要というもの。
「ニッチ戦略」は、シェアなんて考えずに、業界ニッチなところ、つまり大企業が入ってこない(これない)ところで、事業を成り立たせようというもの。
差別化戦略とニッチ戦略は、ある意味ではランチェスター戦略に似ているのかもしれません。
ただ、それらはあまりに単純化しすぎているので、現在はもう少し複雑に戦略を作り上げます。
今、最も流行している考え方は、「ストーリーとしての戦略」という考え方ですね。
少し前に話題になった、いわゆるシナリオプランニングの発展系ともいえると思うのですが、もう少し「お客様の感動」という視点を加味して、感動のストーリーつくりが戦略につながるという感じでしょうか。
で、その葡萄酒の戦略。
まずは、ワインに関する考え方として大きく2つの主義があると。
一つは、優れたワインは、優れた土地から生まれるという思想です。これを「テロワール主義」というそうです。
一方で、優れたワインは、優れたブドウと管理技術から生まれるという思想です。これを「セパージュ主義」というそうです。
・・・・
つまり、フランスワインを代表とするヨーロッパのワインは、基本的に「テロワール主義」。
カリフォルニアやチリ、南アフリカなどのワインは「セパージュ主義」に則っているとわかります。
これを、例えば家電製品に置き換えてみましょう。
1990年代「Made in Japn」という言葉に代表される日本で作られた家電製品は品質も良くで素晴らしいといわれていました。
これは、「テロワール主義」的な考え方ですね。
一方で、2000年以降は韓国や中国などの新興国が、日本の技術を導入してよい品質のモノを作り出しています。
これは、「セパージュ主義」的な発展といえるのではないでしょうか?
つまり、日本という国がもつ勤勉性や家族的経営の風土が、技術を磨き商品価値を上げてきたと考えてきた。
しかし近年は、それらの技術が、ワインを作るブドウの木のように、きちんと育成すればどこでも良い品質の商品を作ることができるともいえます。
・・・・
では、結局「セパージュ主義」が勝つのでしょうか?
私はセパージュ主義とテロワール主義の二元論で考えるのではなく、それらを止揚(アウフヘーベン)したところに、最終的な答えがあるように感じます。
*実は、葡萄酒に関する話でも、同じような結論になっていました^^
歴史を紐解くと、フランスワインは今でこそ「テロワール主義」の代表のように言われていますが、ローマ時代にはワインが作れない土地だったそうです。
それが、各地からフランス(当時はガリアですね。)の土地に合うように、ブドウの品種改良を加えて、現在に至っていると。
これは、フランスワインもルーツをたどれば「セパージュ主義」だったことにほかなりません。
歴史はめぐる。
今、第三世界のワインが人気です。
我が家でもチリワイン(コノスルとか。。)などは、コストパフォーマンスが良いので、よく飲んでいます。
ちなみに先日、尾の上にある「一目良膳」さんで飲んだチリワインです。
今後のワインを取り巻く環境が、どのように変わっていくのか。
戦略的な固い話だけではなく、ワインのラベルの見方などいろいろな薀蓄を楽しめる良い本だと思いました。
ところで、先日プロフィール写真を、プロカメラマンに撮っていただきました。
Twitterは@kuwaharaで、Facebookでは桑原正浩を見てみてくださいませ。
このブログの写真もその中の一つなのですが、奥さん兼マネージャーのブログでも、触れていただきました。
*佳与子さんありがとうございます。
やっぱり、プロの写真は違うね!
・・・・「やっぱりプロのコンサルは違うね!」といわれるように私も頑張らねばと、改めて思った次第です。
では、また。
各地からは桜の便りがちらほらと。。。
熊本城の桜も5分咲きとか。
今週末から来週にかけてが見ごろになりそうですね。
私は、満開を過ぎて散り始めたころの桜が好きです^^(あくまでも個人的な嗜好ですけど(苦笑))
さて、「葡萄酒の戦略」を昨日読了しました。
経営コンサルが書いたワインの本という、ある意味で異色の本なのですが、ワインの歴史をたどりながら「なぜ、フランスワインが世界一なのか?」「第三世界の差別化戦略の落とし穴」などの、事業戦略としてのワインの位置づけなども学べて、結構面白かったです。
経営戦略として、古くから3つの戦略が有名ですね。
一つが「コストリーダーシップ戦略」。
二つ目が、「差別化戦略」。
三つ目が、「ニッチ戦略」。
コストリーダーシップ戦略とは、その業界のシェアNo.1企業が、商品のコストを有利に操作する事ができて、さらに収益を上げることができるというもの。
「差別化戦略」は、どちらかといえば後発の企業が、ある業界で特定の地位を得るためには、差別化された機能を持った商品が必要というもの。
「ニッチ戦略」は、シェアなんて考えずに、業界ニッチなところ、つまり大企業が入ってこない(これない)ところで、事業を成り立たせようというもの。
差別化戦略とニッチ戦略は、ある意味ではランチェスター戦略に似ているのかもしれません。
ただ、それらはあまりに単純化しすぎているので、現在はもう少し複雑に戦略を作り上げます。
今、最も流行している考え方は、「ストーリーとしての戦略」という考え方ですね。
少し前に話題になった、いわゆるシナリオプランニングの発展系ともいえると思うのですが、もう少し「お客様の感動」という視点を加味して、感動のストーリーつくりが戦略につながるという感じでしょうか。
で、その葡萄酒の戦略。
まずは、ワインに関する考え方として大きく2つの主義があると。
一つは、優れたワインは、優れた土地から生まれるという思想です。これを「テロワール主義」というそうです。
一方で、優れたワインは、優れたブドウと管理技術から生まれるという思想です。これを「セパージュ主義」というそうです。
・・・・
つまり、フランスワインを代表とするヨーロッパのワインは、基本的に「テロワール主義」。
カリフォルニアやチリ、南アフリカなどのワインは「セパージュ主義」に則っているとわかります。
これを、例えば家電製品に置き換えてみましょう。
1990年代「Made in Japn」という言葉に代表される日本で作られた家電製品は品質も良くで素晴らしいといわれていました。
これは、「テロワール主義」的な考え方ですね。
一方で、2000年以降は韓国や中国などの新興国が、日本の技術を導入してよい品質のモノを作り出しています。
これは、「セパージュ主義」的な発展といえるのではないでしょうか?
つまり、日本という国がもつ勤勉性や家族的経営の風土が、技術を磨き商品価値を上げてきたと考えてきた。
しかし近年は、それらの技術が、ワインを作るブドウの木のように、きちんと育成すればどこでも良い品質の商品を作ることができるともいえます。
・・・・
では、結局「セパージュ主義」が勝つのでしょうか?
私はセパージュ主義とテロワール主義の二元論で考えるのではなく、それらを止揚(アウフヘーベン)したところに、最終的な答えがあるように感じます。
*実は、葡萄酒に関する話でも、同じような結論になっていました^^
歴史を紐解くと、フランスワインは今でこそ「テロワール主義」の代表のように言われていますが、ローマ時代にはワインが作れない土地だったそうです。
それが、各地からフランス(当時はガリアですね。)の土地に合うように、ブドウの品種改良を加えて、現在に至っていると。
これは、フランスワインもルーツをたどれば「セパージュ主義」だったことにほかなりません。
歴史はめぐる。
今、第三世界のワインが人気です。
我が家でもチリワイン(コノスルとか。。)などは、コストパフォーマンスが良いので、よく飲んでいます。
ちなみに先日、尾の上にある「一目良膳」さんで飲んだチリワインです。
今後のワインを取り巻く環境が、どのように変わっていくのか。
戦略的な固い話だけではなく、ワインのラベルの見方などいろいろな薀蓄を楽しめる良い本だと思いました。
ところで、先日プロフィール写真を、プロカメラマンに撮っていただきました。
Twitterは@kuwaharaで、Facebookでは桑原正浩を見てみてくださいませ。
このブログの写真もその中の一つなのですが、奥さん兼マネージャーのブログでも、触れていただきました。
*佳与子さんありがとうございます。
やっぱり、プロの写真は違うね!
・・・・「やっぱりプロのコンサルは違うね!」といわれるように私も頑張らねばと、改めて思った次第です。
では、また。
by kuwahara_TRIZ
| 2011-03-29 18:26
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