2010年 02月 21日
「フォークの歯はなぜ4本になったか」を読んで |
今日は、ゆっくりとした休日でした。
まぁ、セミナー構想を練ってみたり、TRIZの活用方法の検討などを模索したり、ぼちぼちとした仕事はしてましたけど(苦笑)
そういえば、DHBR3月号「逆転の思考」ステレオタイプを排す。の中に、「プロフェッショナルこそ、計画的に休まねばならない」という、ボストンコンサルティングファームでの実験結果が特集されてました。
BCGでの実験では、最初は強制的に休ませることに対する不満や(昇進への)不安などの抵抗があったそうですが、実際にやってみると実験の評価は開始時は3.7程度だったものが、5ヶ月後には5.2(7段階評価)になったそうです。
また、実験に参加したメンバーの意識変換にも成功し、今では計画的に休みを入れることが良いことだと認識されたとのこと。
まぁ、コンサルという仕事は、ある意味精神的にも肉体的にも休みにくい業種の一つだと思いますから、意識して休みを取ることが大切なんだと思いました。
さて、今日の話題はもう一つTRIZに関するものです。
例の「フォークの歯はなぜ4本になったか:実用品の進化論」を読んでの感想です。
帯には「モノづくりのための逆説的発想」とありましたが、そこまでのインパクトはありませんでした。
が、面白かったし、少し自分の中にある心理的惰性を破るヒントも満載でした。
まずは、フォークの形状の変遷からひも解いていきます。
昔は、ナイフ2本で肉などを切り、ナイフで突き刺して口に運んでいたそうですね。
でも、そうするとナイフで刺すところは1点ですから、どうしても肉が回転して切りにくい。
また、ナイフを口元に持っていくことは「万が一後ろから押されたら…」なんてブラックジョークもちりばめて、欠点をあげています。
そうすると、ナイフではなくフォークの原型として肉が回転しないように、二股のフォークが生まれた。
これは、切断時の肉の回転を防止するという目的機能から生まれたものだと論じてます。
しかし、機能(必要性)だけが発明の母ならば、なぜフォークの歯や形状が、その後様々に変化していくのかというアンチテーゼから、必要が発明の母ではなく「失敗と不具合こそが発明の母」なのだと。
フォークはその後、スプーンの代わりに使われたりするようになります。そこにフォークの歯の数が増えて行く理由が出てくるわけです。
また、昔のフォークとナイフの形状の変化の歴史を見る上でも、良い本だなと思いました。
ちなみに、フォーク以外にも、クリップとかファスナーなどもどのように改善されていったのかが書いてあり、それらから帰納的に「形状(デザイン)は、機能にしたがって進化するのではなく、不具合や失敗の改善を軸にして進化してきた」と論じてます。
そして、進化とは「淘汰」ではなく「多様性の容認」でもあると。
たとえば、フランス料理のコースを食べに行くとテーブルにずらりと多様なフォークやナイフが置かれますよね。
ワイングラスにしてもそうですね。色々なワインを楽しむために色々な形がある。
それらは、決して一つに収斂される事はなく、今後も多様な食器として残って行くのでしょう。
・・・・
TRIZの進化のパターンというツールを使う時にも、システムの淘汰ではなく、多様性の増加と言う視点でアイデアを考えると良いのかなと感じました。
*もちろん、中には淘汰されるものもありますが。。。(笑)
ということは、進化のパターンを複数組み合わせて使うことが実践的なんだろうな。
そして、それは発明原理にも言えるのだろうな。
よし、一つまた引き出しが増えたような気がしてます。
皆さんも、TRIZを使う時に意識して思考を巡らすと良いのではないでしょうか。
では、また。
まぁ、セミナー構想を練ってみたり、TRIZの活用方法の検討などを模索したり、ぼちぼちとした仕事はしてましたけど(苦笑)
そういえば、DHBR3月号「逆転の思考」ステレオタイプを排す。の中に、「プロフェッショナルこそ、計画的に休まねばならない」という、ボストンコンサルティングファームでの実験結果が特集されてました。
BCGでの実験では、最初は強制的に休ませることに対する不満や(昇進への)不安などの抵抗があったそうですが、実際にやってみると実験の評価は開始時は3.7程度だったものが、5ヶ月後には5.2(7段階評価)になったそうです。
また、実験に参加したメンバーの意識変換にも成功し、今では計画的に休みを入れることが良いことだと認識されたとのこと。
まぁ、コンサルという仕事は、ある意味精神的にも肉体的にも休みにくい業種の一つだと思いますから、意識して休みを取ることが大切なんだと思いました。
さて、今日の話題はもう一つTRIZに関するものです。
例の「フォークの歯はなぜ4本になったか:実用品の進化論」を読んでの感想です。
帯には「モノづくりのための逆説的発想」とありましたが、そこまでのインパクトはありませんでした。
が、面白かったし、少し自分の中にある心理的惰性を破るヒントも満載でした。
まずは、フォークの形状の変遷からひも解いていきます。
昔は、ナイフ2本で肉などを切り、ナイフで突き刺して口に運んでいたそうですね。
でも、そうするとナイフで刺すところは1点ですから、どうしても肉が回転して切りにくい。
また、ナイフを口元に持っていくことは「万が一後ろから押されたら…」なんてブラックジョークもちりばめて、欠点をあげています。
そうすると、ナイフではなくフォークの原型として肉が回転しないように、二股のフォークが生まれた。
これは、切断時の肉の回転を防止するという目的機能から生まれたものだと論じてます。
しかし、機能(必要性)だけが発明の母ならば、なぜフォークの歯や形状が、その後様々に変化していくのかというアンチテーゼから、必要が発明の母ではなく「失敗と不具合こそが発明の母」なのだと。
フォークはその後、スプーンの代わりに使われたりするようになります。そこにフォークの歯の数が増えて行く理由が出てくるわけです。
また、昔のフォークとナイフの形状の変化の歴史を見る上でも、良い本だなと思いました。
ちなみに、フォーク以外にも、クリップとかファスナーなどもどのように改善されていったのかが書いてあり、それらから帰納的に「形状(デザイン)は、機能にしたがって進化するのではなく、不具合や失敗の改善を軸にして進化してきた」と論じてます。
そして、進化とは「淘汰」ではなく「多様性の容認」でもあると。
たとえば、フランス料理のコースを食べに行くとテーブルにずらりと多様なフォークやナイフが置かれますよね。
ワイングラスにしてもそうですね。色々なワインを楽しむために色々な形がある。
それらは、決して一つに収斂される事はなく、今後も多様な食器として残って行くのでしょう。
・・・・
TRIZの進化のパターンというツールを使う時にも、システムの淘汰ではなく、多様性の増加と言う視点でアイデアを考えると良いのかなと感じました。
*もちろん、中には淘汰されるものもありますが。。。(笑)
ということは、進化のパターンを複数組み合わせて使うことが実践的なんだろうな。
そして、それは発明原理にも言えるのだろうな。
よし、一つまた引き出しが増えたような気がしてます。
皆さんも、TRIZを使う時に意識して思考を巡らすと良いのではないでしょうか。
では、また。
by kuwahara_TRIZ
| 2010-02-21 18:02
| TRIZ