2010年 02月 07日
破壊的イノベーションと継続的イノベーションとTRIZ |
破壊的イノベーション、継続的イノベーションとTRIZの関係について。
TRIZには、クリステンセンの言うところのいわゆる破壊的イノベーション的なアイデアが求められます。
それは、我々も重々承知してますし、当然TRIZの思考プロセスにおいて、そういう側面を示唆したツールもあります。
・・・・
ここでは、逆にイノベーション側に立った視点で書いてみます。
これまで、私は「同じS字カーブ上での進化は持続的イノベーションであり、次のSカーブへの移行が破壊的イノベーションだと理解していました。
しかし「イノベーションへの解」では、必ずしもシステムの大きな変化が破壊的イノベーションと言えるわけではなく、もっと全体的な文脈の中での分析をすべきとあるように感じました。
たとえば、顧客が欲しいと考えているモノは「用事(=目的機能?)をかたずけること」であり、その実現手段が、既存の方法では過剰満足であるところに、「必要にして十分な解決方法」が市場に投入されることから、市場を席捲してしまうのが破壊的イノベーションだという表現からです。
それをうまく起こすための、戦略的な思考が、イノベーションのジレンマと表現されているように感じました。
確かに、「システムの進化はS字カーブに従う」、というのはTRIZの進化のパターンにあります。その不連続点で新しい手段が登場して市場を席巻することが、破壊的イノベーションである事は間違いないところだと思いますが、そのS字カーブのジャンプに市場の力を考慮することは、テクノロジー側の視点には少なかったように思いました。
そういう意味で、改めて読み返してみると、なるほどと。クリステンセン恐るべし。(笑)
・・・・・
では、破壊的イノベーションを起こすための、アイデアの開発に必要なものとは何なのでしょうか?
クリステンセンは、
・非消費者を探し出して定義し、それと現状商品の過剰品質度を測定し、パフォーマンスマップや戦略的意図を決定する。
・戦略的意図とは、既存市場の変革、既存市場の拡張、新規市場の創出、新興の破壊的イノベーターからの防御の4つである。
の2つを要諦として主張しているように感じました。
また、一方で破壊的イノベーションを起こす仕組みとして、本業との距離感や本業の安定性も大切な要素であるとも述べています。
これは、企業は「博打」的に開発活動をするわけにはいきませんから、当然の事でしょうね。
アイデアの考案については、アナロジーや公募などについての具体性には欠けますが、ほとんどの主張はわれわれのTRIZコンサル時の発言と同様だと思います。
ただ、アイデアの破壊度測定という評価軸の考え方が面白いですね。だって、最終的にコンセプトをまとめて行く段階で、そのアイデアを何で評価するかはいつも慎重に考えるべきところですから。
・破壊的イノベーションとは、静かに潜行しいつの間にか市場に大きなインパクトを与えているというもの。
・ニッチから始まり、マス市場へ展開される、その結果破壊的イノベーションが「起きる」のである。
の表現は、今後の我々のコンサルティングに影響を及ぼすものになりそうな気がしてます。
従って、破壊的なのか持続的なのかは事業戦略上の問題であり、TRIZではそのための具体的なアイデア発想の手法であると位置付けるべきかなと。
すべてのアイデアが破壊的ではなく、かといって持続的である必要はなく、要は、アイデアの実現に際してどのような戦略をとるのかが重要なポイントなのだと改めて意識しました。
今日は、昔、投稿しようとして貯めてたブログネタを再度まとめてみました。
こういう、時間をおいた記憶と思考の整理は、読書で得た情報を再構築し、新しいインスピレーションを得るために、大切な時間なんだと再認識しました。
今日は、かなり個人的な視点での解釈の入ったブログになりました。
単に本を紹介するのも良いのですが、こういう解釈の入ったものも私の想いを伝えるためには、ありかなと思いまして・・・。あえて、「戦略的(?)」に構成してみました。異論反論大賛成です。
では、また!
TRIZには、クリステンセンの言うところのいわゆる破壊的イノベーション的なアイデアが求められます。
それは、我々も重々承知してますし、当然TRIZの思考プロセスにおいて、そういう側面を示唆したツールもあります。
・・・・
ここでは、逆にイノベーション側に立った視点で書いてみます。
これまで、私は「同じS字カーブ上での進化は持続的イノベーションであり、次のSカーブへの移行が破壊的イノベーションだと理解していました。
しかし「イノベーションへの解」では、必ずしもシステムの大きな変化が破壊的イノベーションと言えるわけではなく、もっと全体的な文脈の中での分析をすべきとあるように感じました。
たとえば、顧客が欲しいと考えているモノは「用事(=目的機能?)をかたずけること」であり、その実現手段が、既存の方法では過剰満足であるところに、「必要にして十分な解決方法」が市場に投入されることから、市場を席捲してしまうのが破壊的イノベーションだという表現からです。
それをうまく起こすための、戦略的な思考が、イノベーションのジレンマと表現されているように感じました。
確かに、「システムの進化はS字カーブに従う」、というのはTRIZの進化のパターンにあります。その不連続点で新しい手段が登場して市場を席巻することが、破壊的イノベーションである事は間違いないところだと思いますが、そのS字カーブのジャンプに市場の力を考慮することは、テクノロジー側の視点には少なかったように思いました。
そういう意味で、改めて読み返してみると、なるほどと。クリステンセン恐るべし。(笑)
・・・・・
では、破壊的イノベーションを起こすための、アイデアの開発に必要なものとは何なのでしょうか?
クリステンセンは、
・非消費者を探し出して定義し、それと現状商品の過剰品質度を測定し、パフォーマンスマップや戦略的意図を決定する。
・戦略的意図とは、既存市場の変革、既存市場の拡張、新規市場の創出、新興の破壊的イノベーターからの防御の4つである。
の2つを要諦として主張しているように感じました。
また、一方で破壊的イノベーションを起こす仕組みとして、本業との距離感や本業の安定性も大切な要素であるとも述べています。
これは、企業は「博打」的に開発活動をするわけにはいきませんから、当然の事でしょうね。
アイデアの考案については、アナロジーや公募などについての具体性には欠けますが、ほとんどの主張はわれわれのTRIZコンサル時の発言と同様だと思います。
ただ、アイデアの破壊度測定という評価軸の考え方が面白いですね。だって、最終的にコンセプトをまとめて行く段階で、そのアイデアを何で評価するかはいつも慎重に考えるべきところですから。
・破壊的イノベーションとは、静かに潜行しいつの間にか市場に大きなインパクトを与えているというもの。
・ニッチから始まり、マス市場へ展開される、その結果破壊的イノベーションが「起きる」のである。
の表現は、今後の我々のコンサルティングに影響を及ぼすものになりそうな気がしてます。
従って、破壊的なのか持続的なのかは事業戦略上の問題であり、TRIZではそのための具体的なアイデア発想の手法であると位置付けるべきかなと。
すべてのアイデアが破壊的ではなく、かといって持続的である必要はなく、要は、アイデアの実現に際してどのような戦略をとるのかが重要なポイントなのだと改めて意識しました。
今日は、昔、投稿しようとして貯めてたブログネタを再度まとめてみました。
こういう、時間をおいた記憶と思考の整理は、読書で得た情報を再構築し、新しいインスピレーションを得るために、大切な時間なんだと再認識しました。
今日は、かなり個人的な視点での解釈の入ったブログになりました。
単に本を紹介するのも良いのですが、こういう解釈の入ったものも私の想いを伝えるためには、ありかなと思いまして・・・。あえて、「戦略的(?)」に構成してみました。異論反論大賛成です。
では、また!
by kuwahara_TRIZ
| 2010-02-07 15:35
| TRIZ